STEP.02
店舗別の特徴を選択!

「酒場のための地震防災ガイドライン」
作成ページ

飲食店で地震が発生したとき、注意すべきポイントや声かけの仕方は店舗の形態によって異なるはず。
飲食店で働く人たちが、お客様の安全を確保するための店舗別防災ガイドラインを作成することができます。

STEP.03
店舗に合わせたガイドラインが完成!

あなたの店舗の
『酒場のための地震防災ガイドライン』はこちら

ぜひ店舗で出力して活用してみてくださいね。
ページを遷移するとデータが保存されないのでご注意ください。
※印刷できない方は、「PDFで保存」を選択いただき、ダウンロードの上印刷をお願いいたします。

「酒場のための
地震防災ガイドライン」

【旧耐震の建物と選択された方】

現在、あなたの店舗は「旧耐震基準」(1981年5月31日以前に適用されていた耐震基準)で建てられた可能性があります。
旧耐震の建物は、震度6強~7程度の大きな地震が発生した場合、倒壊する危険性が極めて高いとされています。

避難時、お客さまへの声かけで
意識するポイントと声かけ例

まずは自分の身を守ることが最優先です。自分の安全を確保したうえで、お客さまの誘導を行ってください。

・人数が多く声が行き届かない可能性があります。フロアを移動しながら声かけをしましょう。

緊急地震速報が鳴ったら

・お酒を飲んだ方は危機感が低下している可能性があります。まずは地震発生を伝えましょう。

例:「緊急地震速報が鳴りました」「地震です」「揺れに注意して」

揺れ始めたら

・揺れがおさまるまで、頭を守ることを最優先に指示しましょう。特に、酔っ払っていると机に隠れても頭を守れていない人もいます。強調して呼びかけましょう。

例:「頭を守って!」「机の下に隠れて!」

・机の下に入って頭を守ることが難しい場合、カバン等で頭を守る指示を出しましょう。身を守れそうなテーブルがあれば、その下に隠れるよう指示をしましょう。

例:「身をかがめて頭を守って!」「カバンなどで頭を守って!」「テーブルがあれば下に隠れて!」

・お客さまが慌てて外に飛び出したり、出口に向かって走りだす可能性があります。群衆雪崩※などの二次災害が起きる可能性があり、非常に危険です。まずは揺れが収まるまでその場で待機するように促しましょう。
※群衆雪崩(ぐんしゅうなだれ)とは:密集した群衆の中で、一人が転倒したことをきっかけに周囲の人々が次々と倒れて重なり合う極めて危険な事故。いわゆる「将棋倒し」の状態。

例:「外に出るのは危険です!」「揺れがおさまるまで待機してください!」

揺れがおさまったら

どちらに当てはまりますか?
揺れがない、または小さく、
地震による被害がなかった場合
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A-1
を読んでください。
揺れが大きい場合
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A-2
を読んでください。
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A-1
揺れがない、または小さく、地震による被害がなかった場合

・お客さまは情報を得ることで安心できます。
地震や店舗の状況を情報収集し、お客さまにもその情報をお伝えしましょう。
さらに、引き続き地震が起きる可能性についてもアナウンスしましょう。

例:「震源地はOOで、ここの震度はOOでした」「この後も揺れる可能性があります」「注意してください」
※再度、地震が来たら「 ~揺れ始めたら~」に戻って指示を出しましょう。
追加の地震が起きなければ声かけは終わりです。

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A-2
揺れが大きい場合(震度6弱以上目安)

・揺れがおさまると、家族の安否が気になったり外の状況を知りたくなって、慌てて外に出てしまう人がいます。その場に留まって指示に従うよう促しましょう。

例:「スタッフが状況を確認します」「状況によって安全な場所が変わります」「指示があるまでその場で待機してください」

・地震の揺れによって出口がゆがみ、開かなくなるリスクがあります。揺れがおさまったら出口を開けて逃げ道を確保しましょう。

揺れがおさまった後は、スタッフで以下のポイントを確認します。
店舗内、近隣、ビル内で火災は起きていないか
確認ポイント
ビルの非常ベルが鳴っているか
確認ポイント
建物の階段を覗き、煙のにおいがするか
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B-1
を読んでください。
当てはまる場合は、火災が発生している可能性が高いです。引き続き揺れが起こる可能性がある場合、ガスの元栓を閉めて火災を予防しましょう。
建物に異変や損傷がないか
確認ポイント
建物を外から見た時に傾いているなどの異変がある
確認ポイント
壁にヒビが入っているなどの目視確認
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B-2
を読んでください。
当てはまる場合は、建物の損傷が起きている可能性が高いです。
上記に当てはまらないが、店内が安全でなく念のため店外に避難しておきたい場合
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B-2
を読んでください。
上記のどれにも当てはまらない場合
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B-3
を読んでください。
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B-1
上記のチェックポイントで火災があった場合

火災の場合は早急に店外に避難する必要があります。落ち着いてお客さまを店外に誘導しましょう。

・店内がざわざわしている場合は、まず落ち着いて指示を聞いてもらえる状態にしましょう。危険な理由を添えて、お客さまに避難開始を伝えます。

例:「静かにして」「建物内で火災が発生しました」「今から外に避難します」

・地震で食器等が割れ、ガラスの破片などが落ちている可能性があります。お酒を飲みながら靴を脱いでいる方もいるため、避難時にガラスを踏まないよう靴を履く指示を出しましょう。

例:「ガラスなどが落ちていて危険です」「靴を履いて」

・酔っぱらっている人は出口がどこか分からない場合があります。スタッフ自ら出口付近に立って指示し、声のする方へ移動してもらいましょう。

例:「こちらが出口です」

・お酒を飲んだ方は頭がさえ始めても体がふらつく可能性があります。段差など足元に注意してもらえるように声をかけましょう。

例:「足元に注意して」「段差に注意して」

・エレベーターで移動すると閉じ込められるリスクがあります。階段での避難を指示しましょう。

例:「エレベーターは使えません」「階段で避難してください」

・お酒を飲んでいると足元がふらつき階段から落下する可能性があります。手すりを掴んだり壁を手でつたいながら、ゆっくり移動する指示をしましょう。

・例:「手すりをつかんで」「一段ずつ登り/降りてください」

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B-2
建物の異変や損傷があった/念のため店外に避難する場合

避難時に二次災害(転倒によるケガや、外に出てからの凍死等)を起こさないことが大事です。落ち着いて、店外に誘導しましょう。

・店内がざわざわしている場合は、まず落ち着いて指示を聞いてもらえる状態にしましょう。危険な理由を添えて、お客さまに避難開始を伝えます。

例:「静かにしてください」「建物にひびが見つかりました」「念のため、今から外に避難します」

・地震で食器等が割れ、ガラスの破片などが落ちている可能性があります。お酒を飲みながら靴を脱いでいる方もいるため、避難時にガラスを踏まないよう靴を履く指示を出しましょう。

例:「ガラスなどが落ちていて危険です」「靴を履いてください」

・貴重品を持ち、冬場は忘れずに上着を着るよう指示を出します。外に出てから、凍死による二次災害を防ぐためです。事前防災として、カッパやアルミ防寒シートを店舗に備え付けておくことも有効です。ぜひ検討してみましょう。

例:「貴重品を持ってください」「上着を着てください」

・酔っ払ってトイレにいる人など、逃げ遅れる人がいないか呼びかけ、スタッフで店舗全体を見て回りましょう。

例:「トイレに誰かいませんか?」

・酔っぱらっている人は出口がどこか分からない場合があります。スタッフ自ら出口付近に立って指示し、声のする方へ移動してもらいましょう。

例:「こちらが出口です」

・停電した場合は、真っ暗で出口がわからなくなり、足元も見えずとても危険です。
非常口が光っている場合は、非常口に向かって逃げるように指示します。非常口案内が無い場合は、スマホやライト等で光をつけて誘導しましょう。
また、事前防災として店舗にライトを備えておきましょう。

例:「緑色に光っているのが非常口です。」「光に向かって移動してください」「足元に注意してください」

・避難を焦るお客さまがいることが想定されます。なるべく1人ずつ、慌てず出口へ誘導しましょう。

例:「転ぶと危険です」「慌てないでください」「押さないでください」「一人ずつ、ゆっくり落ち着いて出口へ」

・お酒を飲んだ方は頭がさえ始めても体がふらつく可能性があります。段差など足元に注意してもらえるように声をかけましょう。

例:「足元に注意してください」「段差に注意してください」

・お客さまが使用していたテーブル付近で食器が割れている可能性があります。怪我をしないように注意を促しましょう。

例:「机や床に触れないでください」「食器が割れていて危険です」

・テラス/屋外席に留まって逃げ遅れる人がいる可能性があります。テラス/屋外席も確認しましょう。ただし、スタッフ自身の身の安全が最優先です。安全が確保されている範囲で行いましょう。

・エレベーターで移動すると閉じ込められるリスクがあります。階段での避難を指示しましょう。

例:「エレベーターは使えません」「階段で避難してください」

・お酒を飲んでいると足元がふらつき階段から落下する可能性があります。手すりを掴んだり壁を手でつたいながら、ゆっくり移動する指示をしましょう。

例:「手すりをつかんで、一段ずつ登り/降りてください」

・個室に留まって逃げ遅れる人がいる可能性があります。店舗の中を確認しましょう。ただし、スタッフ自身の身の安全が最優先です。安全が確保されている範囲で行いましょう。

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B-3
火災や建物の損傷がなく、安全が確保できそうな場合

・新耐震の建物で津波の危険エリアではなく、二次被害(同じ建物内で火事が起きていない・建物に損傷等がない など)が発生していない場合は、店舗に留まるのが安全です。その旨をお客さまにもお伝えしましょう。

例:「外に出るよりも店内のほうが安全です」「この建物は耐震構造です」「津波の心配もありません」「店内で待機してください」

・お客さまが使用していたテーブル付近で食器が割れている可能性があります。怪我をしないように注意を促しましょう。

例:「机や床に触れないでください」「食器が割れていて危険です」「足元に注意してください」

・揺れによってガラスが割れ、飛散するリスクがあります。リスクを伝えた上で、窓から離れるよう指示しましょう。

例:「ガラスが割れる可能性があります」「窓から離れてください」「壁側に寄ってください」

・照明が落ちてくるリスクがあります。リスクを伝えた上で、照明の下から離れるように指示しましょう。また、事前に割れづらい球に変えたり、吊り下げワイヤーを補強するなどの対策が有効です。事前防災も検討しましょう。

例:「照明が落ちると危険です」「照明の下から離れてください」

・ディスプレイ(酒瓶、吊り下げグラス、大型の植物)が落ちたり、倒れたりするリスクがあります。
・リスクを伝えた上で、離れるように指示しましょう。また、事前にディスプレイが置かれている棚自体を固定したり、棚の前面に落下防止バーをつけることも有効です。事前防災も検討しましょう。

例:「〇〇が落ちる/倒れると危険です」「〇〇から離れてください」

・個室や奥まった場所、テラスなどにお客さまがいる場合、声かけが聞こえる範囲に集まってもらいましょう。

例:「声の聞こえる範囲に移動してください」

地震時、お酒を飲んでいるお客様に
声をかけるときのポイント

・何をすれば良いのか、短く明確に示す

指示が曖昧だと動きづらく、長文だと最後まで聞かないと何をすればいいのか判断できません。
「×危ないので注意してください」「×机の下にもぐったり、カバンなど身の回りのもので頭を守ってください」「◎頭を守って」

・1つの文章に動作は1つまでにする

2つの動作が混ざると、何をすればいいのか混乱しやすいです。

・目で見えたままのものを具体的に指示する

例えば「出口に逃げて」と言ってしまうと、出口がどこかわからない可能性があります。「出口はこちら」「声が聞こえる方に逃げて」など具体的に指示しましょう。
「左」「右」のような混乱する声かけは避けましょう。「こちら」「グレーの壁」のように瞬時に判断できる言葉を使いましょう。

・動こうとしない人には、断定的な命令口調で指示する

「✖ 頭を守ってください」、「◎ 頭を守って!」

・どのような危険があるのかを明確に示す

「✖ 危ないので逃げてください」、「◎ 火災の恐れがあるため~」「◎ 津波の恐れがあるため~」

・話すスピードは意識的にゆっくり話す

・繰り返し指示する

このガイドラインを使用すれば、100%安全確保ができるというわけではありません。
自店舗に合わせて、地震が起きたらどこに危険があるか、
どんな対策・対応ができるかを考えることが何よりも重要です。
お客さまが楽しく、安全にお酒を楽しめる空間をいっしょに考えていきましょう!